1. 古代エジプトとの類似性 00/10/11
王の名がネフェルタリ・コブラ、王女の名がネフェルタリ・ビビ、そして「砂の王国」…という、この一連の記述は、私にとある国を連想させるに充分だった。
そう、今またちょっとブームになってるらしい、世界四大文明の筆頭に挙げられる、古代有数の文明大国・エジプトだ。
「ネフェルタリ」とは、我々日本人の感覚からすると、ちょっと聞き慣れぬ、妙な文字列だが、これはエジプト史上もっとも偉大な王とされる、かの有名なラムセス二世の第一王妃の名で、古代エジプト史を少しでも聞きかじってる人なら、すぐにピンとくるものである。
また、「コブラ」は、その毒を有する強さ・獰猛さなどから、エジプトでは王の権力を象徴する、聖なる動物だった。あの有名な「ツタンカーメンの黄金のマスク」にも、額の上にコブラの頭を模した飾りがついている。
そして、国名でもある「アラバスタ」=「Alabaster」、すなわち雪花石膏のことで、表面はなめらか、かつ綺麗な模様が浮きあがっている、高級な石材のひとつであり、これも当然、古代エジプトでは、その美しさ・加工のしやすさなどから、コップや皿などの日用品、家具、はたまた死後のミイラを納める棺・臓器入れ等、あちこちに使われていたものなのだ。
ところで、古代エジプトといえばミイラであるが、そのミイラ…いわゆるホラー映画などの包帯ぐるぐる巻きの姿がどーしても思い浮かんできてしまう人も多いだろうが、ミイラのもっとも初期のものとは、「死後、熱砂の中に埋められて、水分が急激に奪われ、そのままひからびて乾燥してしまった」人間の死体だった、とされている。
先年、日本で開催されていた、大英博物館所蔵の「古代エジプト展」に、その自然作用でたまたまミイラとなってしまった、5300年前という女性の遺体、通称「ジンジャレラ」が出展されていたので、ひょっとすると、見た&聞いたことのある人もいるかもしれない。
ちなみに、日本は温暖湿潤気候のため、地中に埋められた有機物は、そのうち分解されてなくなってしまうのだが、灼熱の砂漠に葬られたエジプト人たちの遺体は、そんな自然環境によって、死後もなお、肉体の形を保つことができたわけである。
そして、それに注目した古代の権力者たちが、死後、再び転生して帰っていく肉体を残しておくために、自主的なミイラ作りをさかんに行なうようになり、それにともなって防腐処置…つまり包帯を巻きつけたりする技術が発達していった、というのが、だいたいのミイラ創世の概要である。
…これってなんとなく、ある人物を連想させるところがないでしょうか?
砂によって水分を奪われ、ひからびて死ぬ…そんなシーンが、つい最近のジャンプにあった。
言わずもがな、サー・クロコダイルである。
サンジ(Mr.3)との秘密連絡の際も、手にした花から水を吸い上げ、最後には枯らしてしまうシーン(15巻22p)があり、その時から、彼の能力がどうも「水」に関連しているような雰囲気があった。
しかしその力は、どうやら「水で潤す」ためのものではなく、「水分を奪い、ひからびさせる」方面のみに発揮されるものであるようだ…少なくとも現在のところは、そちらの能力しか見せられていない。
また、クロコダイルという名は、ズバリワニであるが、これも実は、古代エジプトでは神の一員とされており、エジプトのとある博物館には、いまだにワニのミイラが何体も保存されていたりするのである。
もっとも、古代エジプト人はすごく心の広い人々で、ワニに限らず、とにかく目に入った動物という動物は、ほとんど神格化して、ミイラにしてしまっている。エジプト関連の展示会や博物館に行くと、人間のミイラに混じって、ネコやイヌ、トキ、サルといった動物のミイラが、必ずあったりするのである。
ま、クロコダイルに関しては、ワニに手を食われた、フック船長説もあったりするのだが…
しかし、「アラバスタ」という国自体が、どこか「古代エジプト」をモチーフにして描かれているのではないか、という推測は、かなり的を射ているのではないかという気がするのだが、どうだろうか。