Electric Telephone Escargot
↑むちゃくちゃな英訳。ちなみに「エスカルゴ(食用カタツムリ)」のみ仏語(笑) 英語では「Snail」となる。

1. 「電伝虫」の驚異的性能 00/09/26
 ワンピの舞台背景は、時代にすると、我々の地球でいう15、6世紀の大航海時代、というあたりで設定されているようだが、しかし、意外なところにずいぶん、ハイテク機器が出没している。その代表のひとつが、やはりこれ、電伝虫である。

 この一見ふざけた外観の内に秘められた機能は、ひょっとすると、現代日本の科学技術力をもってしても再現不可能なのではないか、とさえ思えるような、超ハイレベルなシステムが搭載されているのである。

 とりあえず、わかっているだけ列挙すると…

●互いに電伝虫を所有する、遠方の人物と、直接に音声のやりとりをして会話ができる(現代の機械でいうなら、もちろん電話)

●写真などを読み取り(スキャナ?)、その画像を先方に送信できる(FAX? ←ただし、この機能を使うには、別に接続機器が必要なようであるが)

●発信者の表情を感知し、電伝虫の顔で間接的に伝えることができる(……??)

●そして、おそらく、電話線は必要なく、電波を発信・受信してやりとりされ、船に乗せて持ち運び&そのまま使用もできる(ケータイ??)


 4番目の説の根拠として、15巻33p にて、スモーカーの「本部と連絡をとって…」に対して海兵が「はい」と、こともなげに命令を了解している点、また超古代の密林さながらなリトルガーデンの、Mr.3のアジトにバスケットに入れて持ち込まれ、それでもしっかり作動している点、などからである。

 さて、ともかく「電波」でやりとりされている電伝虫だが、そうすると必然的に、ひとつの疑問が湧いてくる。

 つまり、いわゆるトランシーバーのように、個々の端末同士で直接に電波がやりとりされているのか、携帯電話の通話網のように、どこか、要所要所に電波を集積させるポイントが設けられ、それによって連絡が通じているのか、ということだ。

 おそらく私は、前者だろう…とは思うのだが。

 …しかし、こんなことを考えに考えぬいた挙句、仮にもっともらしい結論が出たところで、「だから?」と言われれば、それまで!! …の思考でしかないのであるが(笑)


2. 「黒電伝虫」の、さらに驚異的な性能 00/09/26
 電伝虫の機能も、なかなかにすごいものであるが、そのさらに上をいく黒電伝虫の機能は、輪をかけてすさまじいものがある。こちらの、現在わかっている事項というと…

●電伝虫から飛び交う電波をとらえ、傍受できる。

●傍受した音声を、録音・巻き戻し・何度でも再生できる。

●…だが、なんといっても最大の驚異は、上記の機能が、すべて腕時計大の、あの超小型の本体内におさめられている、という点である!! (…もっとも、漫画に描かれていないところで、何か他の装置につないだりしてるのかもしれないが)


 で、この装置はスモーカー一行が持参していたわけが、ではクロコダイル、バロックワークスの側も、手に入れてはいなかったのだろうか?

 私の勝手な私見でいけば、あれだけ派手な面々をかかえながら、それでも表向きは「秘密結社」として通っているわけであるから、おそらくクロコダイルの側も、ほぼ確実に黒電伝虫を手中にしており、海軍が発する通信を傍受し、動向をさぐる…程度のことはしていた、とみるべきだろう。

 サンジ (Mr.3)へ秘密連絡の際、「海軍にかぎつけられては厄介だからな」と、傍受を警戒する配慮をしているあたりからしても、お互いに黒電伝虫を所有し、情報戦となっていることを知ったうえでの発言であろうから。

 そして彼が、通常はアンラッキーズを介しての、一見古典的な連絡方法を採用しているのも、そういったハイテク機器の弱点を熟知したうえでの、彼なりの苦肉の策であったにちがいない。


3. 「ヘイまいど こちらクソレストラン …ご予約で?」(14巻185p) 00/09/26
 14巻…といえば、1999年末から2000年にかけて、世のサンジファンを路頭に迷わせていた(…かどうかは知らない。しかし、一時は単身出張説まで流れていたことは事実である) サンジ氷河期を象徴する内容となっており、収録されてある本編内に、彼はわずかに4ページしか出てこない。

 …と、サンジファンには、いまいち(どころではなく) 消化不良傾向のある巻だが、しかし!! そのわずか4ページのなかに、見逃せない重要ポイントが潜んでいた…それが、クロコダイルからの電話の応対に出た、サンジのこの台詞である。

 Mr.3のアジトで呼出し音を聞きつけ、電伝虫を見つけて思わず嬉々となり (少なくとも、「何だ、この変なのは?」と、不審を抱いている様子はない)、あたりまえのように受話器を取りあげ、そしてもはや条件反射としか考えられない、この第一声である。

 つまり、以上の一連のシーンから総合して推測するに、
「サンジは、電伝虫の存在・機能を知っており、なおかつその使用経験もある」という事実が見えてくる。

 これは同時に、海上レストランバラティエに、席やオーダーの予約を受け付ける、専用の電伝虫が設置されてあった…とみて、まず間違いないだろう。

 豪華客船オービット号で仕込まれていた可能性もあるが、その時点ではまだ、電話の応対まで担当させられるほどの立場にいたとも思えないし、第一、そこではこんな言葉づかいは許されなかったであろう。
 しかしゼフなら、まだある程度は寛容に(?) 聞き流してくれていたのかもしれない (彼自身、決して接客態度がいいとは思えないし)

 バラティエでのサンジの立場は、一応、オーナーゼフにつぐ副料理長ということになっていたが、この手慣れた電話の応対といい、「受付(レセプション)」という名のキック(15巻106p)といい、なんだか彼が、揃ってイカつい&ゴツい風貌の面々に代わって、接客業務を担当していたようなところがある。

 旅立ち前の、過去のバラティエの回想シーンにしても、チビナスを脱して以後は、まったくサンジの厨房姿はなく、一貫してウェイター用(?)の、ダブルのスーツを着込んでいる。

 本人の口ぶりでは、「ウェイターがビビって全員逃げ出したので、仕方なく副料理長自ら、ウェイター業務まで代行してやってるんだ」とでも言いたげなものだったが、これは案外、かなり以前から、本人も意識外のところで、そのような役割分担が定まっていたのではないだろうか (…第一、厨房にいるよりも、接客で店内に出てるほうが、女の子と接する機会は多いわけだから、表面上は嫌そーにしつつも、内心ではけっこう、喜んでやっていたのかもしれない)

 まあもちろん、だからといって、まったく厨房に入ってなかった、ということはないだろうけど…(実際、旅立ちの朝のスープは作っていたわけだしね)

 で、余談になるが、おそらくあの鉄拳のフルボディも、海軍所有の電伝虫で、事前にバラティエに席の確保と、オーダーの予約を入れていたものと思われる (ただ、この予約電話は、どうやらサンジではなくゼフが応対したようだ。おかげで、フルボディ到着時にたまたま、ルフィのミスでゼフが負傷させられたため、そのへんの連絡がうまくいかず、結果、出されたワインの銘柄が異なり、あのよーにサンジにおちょくられる結果となってしまったのだった…合掌)


 …と、ずいぶん話がそれてしまったが、とにかく!! サンジは電伝虫に関しては、メンバーのうちではもっとも経験豊富で、よく見知っていたのだろう、ということである。

 そうなると…当然、バラティエの電伝虫の電話番号(…という形態なのかどうかは不明だが、ともかくそういう、接続先を指定するアドレス) も、知っているだろう。

 つまり彼は、電伝虫が手元にあれば、いつでもバラティエに電話を入れて、ゼフや、パティ・カルネらとも連絡が取り合える、ということである。

 いや、実際、Mr.3のアジトにあったあの電伝虫で、一度、バラティエに電話してみようか…とは、思い立たなかったのだろうか。そして、なぜ、エターナルポースのみならず、電伝虫も、一緒に持って行こうとしなかったのだろう(せっかく、持ち運びに便利なバスケットまでついていたのに)

 どこにあるのかはいずれもわからないが、グランドラインの航路途中から、世界政府海軍の本部や、バロックワークスの本社へ、直接連絡が取れるスグレモノである。今後の船旅にも、何かと役に立ったのではないかと思えるのだが…

 それに後日、またクロコダイルや、あるいはMr.2などからの連絡が入ってくる可能性もあったかもしれないし、また、これだけ高機能・稀少価値な代物なのだから、後々文明の発達した島へ着いた時に売り払えば、かなりの額になったのではないか、という気もする(それなら当然、ナミも喜んでくれたはず)

 しかし、あるいは…ひょっとすると、受信は受話器を取った者なら誰でもOKだが、送信は、電伝虫のあの殻に書かれている、特定の人物・所属部署の関係者でないと、できない仕様になっているのかもしれない…もしそうならば、「電伝虫の驚異的機能」に、さらにもうひとつ「送信者を判別して、使用を制限する」との項目を追加しなくてはならない。

 …ずいぶん長くなってしまったが、ここで、もひとつ余談。

 11巻82、83p、ネズミ所属の第16支部と、本部の情報管理室の二つの電伝虫が描かれているが、電伝虫にFAX 機能を付加するために取り付けられた(…と思われる) 装置の側面に、82pの最後のコマでは、本部のものにはちゃんと「本部」となっているが、83p 2コマめでは「MARINE16」と書かれている…

 これは、もちろん私も、以前から気づいていたわけではなく、電伝虫の研究などというアホなことをやりはじめて、はじめて発見したのである(…なお。これはどうやら、コミックス「初版」だけに存在するミスらしい)





ONE PIECE 伏線考察研究会 "The study of foreshadowing in ONE PIECE"