Enel

1. エネルの電撃とはいったい何だったのか? 03/11/28
 (本館サイト「Piracy!」の感想ページより転載したものです)

「○○万ボルト!!」などと、一見なんだかものすごく、見た目も仰々しく放たれ、一瞬にして強力キャラがバタバタ倒れていったエネルの能力。だが、終わってみればその電撃をくらった大半の人物は後遺症も残さずぴんぴんしており、「あの凄まじいほどの描写はいったい何だったのか」と肩すかしをくらったような気分でおられる方も多いと思う。
 だが、それに関して先日、とあるニュース番組から謎を解く鍵となりそうな、あるヒントが得られた(ような気がする)のである。

 いつだったか…は忘れたが、たぶん夕方6時台くらいのニュースで「スタンガン」を悪用した強盗事件が報道されたのだが、その際、凶器となったスタンガンの機能を取り上げて少しばかり解説をしてくれていた。「スタン・ガン」とは「気絶・銃」の意で、一時的に電気を発して相手を感電させる武器…いや、本来は護身用に開発されたアイテムである。

 解説によると、護身用品ショップ店頭で売り出されてるその商品の電圧の値は、手の平サイズで通常かるく50万〜70万ボルトくらいのものらしい。とはいえもちろん、非力な女性が痴漢等に襲われた時に、相手を一時的に動けなくして逃走を助けるための道具だから、これによって痴漢が昇天してしまうまではいかないように、人体には影響が無いように設計されている、という。

 …と、いうことは…?? TV番組内ではここまでだったが、何やら興味と疑念を抱き、ちょっくら「スタンガン」や「電圧・電流」に関して調べてみることにした。

 日本で売られているスタンガンは、上記のとおり電圧50万V程度のものが主流だが、女性の護身用としてスタンガンがもっと普及している外国では、最高200万V程度のものまであるそうだ。
 そして、電気のエネルギーとは「電圧(V=ボルト)×電流(A=アンペア)×作用時間」で決まる。そしてこのうちでも、人体への殺傷能力に影響をおよぼすのは、むしろ「電流」のほう。

 人体に「電流」が流れると、体が抵抗体となって熱を発し、火傷を負うことになるのだが、こちらはだいたい、0.1アンペアを超えると、まず即死。

 要するにスタンガンは、電圧こそ何十、何百万ボルトを発するが、電流の値が0〜数ミリアンペア程度に抑えられているため、相手に一時的なショックを与えるだけで、人体に対する殺傷力は無い。電圧の高さはむしろ、対象物の電気抵抗を突き破る能力に関係している、といえる。

 電気抵抗が低く、電気を通しやすい性質を持つ「導体」は、鉄・銅・アルミ等の金属類が代表。反対に、電気を通しにくい「絶縁体」は、瀬戸物やビニール、ガラス、プラスチック、そしてゴム。あと「空気」も本来「絶縁体」なのだが、これを高電圧によって突き破り放電してくるのが雷なんですよね。その空気は通るのに、ゴムだけは通さないというのはやはり変なのだが…(現実には、雷に対してゴムなどまったく通用しません)
 ま、これはもはや言及しても仕方ないので、もう触れないことにします。

 …と、いうことで、では今一度ワンピ本編を思い返すと、エネルは放電の際、「○○万V!!」と「電圧」の宣言は毎回していたが、「電流」の数値に関しては一切言及していなかった。はたしてそちらは、実際のところ何アンペア程度のものだったのだろうか?
 もしこれが、スタンガン同様の微弱なものだったのだとしたら…? 一時的に気絶はしたものの、今になってほぼ全員が無傷で復活してきたのも、まあうなずける?? …かもしれない。

 ま、体中がススまみれになる効果も等しくあったようなので、死に至らない程度にうすーく焦げさせるくらいの電流は流れてたのかもしれないが、そのあたりの微調整はどうやっているのか。単にエネルが器用なのか。

 なお、人体の電気抵抗とエネルの宣言した電圧を元に、体内に流れたはずの電流の値を計算することも実は出来るようなのだが(オームの法則)、これはやはりとんでもない数字が弾き出されます。とはいえ、「○○万V」という電圧宣言にしてからが、単に本人の自己申告というだけで実際にそれだけの電圧があったのかもいまいち怪しいところなので…これに関しても、今さら言及しないでおきます。はい。

 まーとにかく、結論としては…真に神のような「強さ」を求めるのならば、エネルは「電圧」より「電流」の数値を高める方向にゴロゴロの実の能力を開発していくべきだった、ということでしょうか。エネルが電気エネルギーの認識を誤解して、「電流」のレベルアップを二の次に「電圧」ばかりを気にかけて修業してくれていたのが、空島にとって幸いだったということかもしれません。





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