■伏線考察研究会・投稿研究論文 No.2■

研究会員番号 No.26 ヲズマ氏


世界政府と海軍 00/11/18

1.世界政府の立場

 世界政府の存在は物語の当初から不明確だった。最初は「ワンピ世界全体が一つの国家ではないか?」とも思われたのだが、グランドライン突入後、アラバスタ王国や旧ドラム王国など独立した国家の存在が明らかになり「世界政府」とはどのような立場にあるのかますます不明瞭になってしまった。幸いにもヒントとなる出来事が「名もなき国」編で列挙されていたので、そこから推察してみる。

 第一には「世界会議(レヴェリー)」の開催。ビビが「父に連れられて行った王達の会議…(15巻154頁)」とうっかり口を滑らし、チョッパーの回想シーン(おそらく16巻で収録)で登場した首脳会議である。開催場所は「聖都マリージョア」であり、ここに世界政府の中枢が存在する可能性は高い。

 第二にルフィに倒される寸前のワポルのセリフ(第151話のはず…)、「ドラムは世界政府の加盟国だぞ!」。加盟国というからには何らかの国際機関、具体的には現実に存在する国連のような組織と考えた方がよさそうだ。

2.世界政府の権限

 以上の2点から世界政府を国連とみなすこともできるかもしれない。だが、現実世界の国連と比べて明らかにその権限は強そうである。
 
 まず、世界政府のトップは「総帥」らしい(SBSより)。国連でいう「事務総長」であろうか。ただし、その下には「海軍」という立派な軍隊を率いている。ここが大きな違いで、現実に当てはめるならば「国連軍」であるが、現在国連には常備軍は存在していない。(※この点については後ほど詳しく述べる。)

 さらに直轄地の存在。参考意見ではあるが、小説版によるとローグタウンは政治的・軍事的要所のため世界政府によって直轄統治されているらしい(『ローグタウン編』小説版92、及び97頁より)。小説版は原作と設定がやや異なっており一概にはいえないが、モーガン元大佐のいた海軍基地の町も含め、世界政府自体の支配下にある地域も存在するようだ。強いて言えばアラバスタなどの独立国以外の地域である。

 そして通貨の発行。本編では詳しく触れられていないが、世界共通の通貨である「ベリー」は世界政府が発行しているとも考えられる。というのも、本来ならば通貨の発行は独立国がもつ固有の権利である。日本が円でアメリカがドルであるように、通貨単位もアラバスタとドラムでは元々は異なっていたはず。しかしユーロのように通貨統合を行っているので、世界中「ベリー」で買い物をすることができる。(この点では国連よりもEU;ヨーロッパ連合に近い)

3.海軍

 ワンピ世界の海軍は国連軍のような存在である。もっとも敵は国家ではなくもっぱら海賊相手であるため、むしろ海上警察といったほうがいいかもしれない。ただし、首領・クリークのように兵力5,000人といったケースもあるので、軍隊レベルではないと対抗できなかったのだろう。

 さて、世界政府に海軍は存在するものの「陸軍」は…といった疑問がある。これについては、例えばアラバスタやドラムといった国には守備隊が存在していた。これは陸軍に相当するとも考えられる。つまり海賊が横行する海上は海軍が管轄し、陸上の各国軍とは住み分けているのかもしれない。

 最後になるが、海軍はかなり強権的でもある。モーガンは事実上の軍政で町を支配していたし、スモーカーの部隊は命令違反とはいえ独立国のアラバスタへ上陸している(内政干渉にならないのか?)。逆にいえば、大海賊時代を乗り切るためにはそれだけ強大な権限が必要であったといえよう。


【参考文献】
本編(コミックス未収録分も含む)
小説版「ローグタウン編」(尾田栄一郎・浜崎達也 2000年、集英社)
『イミダス2000』(1999年、集英社)





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