「黒ひげ」と呼ばれる男、この男が「ONE PIECE」に於ける役割とは、いったいどんなものだろう? 私はある結論に達した。
では、まずは「黒ひげ」について、作中で語られている情報を整理してみよう。以下に羅列する。1. かつて白ひげ海賊団に在籍し、二番隊隊長ポートガス・D・エースの部下だった
2. 仲間殺しの罪を犯し、船から逃走した
3. 4人の仲間と共に、ドラム王国を壊滅させたと、この程度の情報しかない。
そこで私は、これらの少ない情報をもとに、「黒ひげ」の人間像を探ってみる事にした。1.「黒ひげ」の年齢は?
「黒ひげ」という異名から、30歳過ぎの壮年男性をイメージしそうだが、実際には、もっと若いのではないだろうか? その根拠はエースの部下だったという事実だ。エースの年齢は17歳のルフィの3歳年上だから20歳の筈である。エースの部下なら、エースよりも若いと考えた方が自然ではないだろうか?
勿論、白ひげ海賊団は年功序列の組織ではないだろう。しかし漫画として考えれば、エースの部下がエースよりも年上というのは、どうにも締まりが悪い。例えば、割腹の良い三十男をイメージしてみよう。それがエースの部下だと言われても、なんとなく違和感を覚える事だろう。
もしも「黒ひげ」がエースよりも年上ならば、「エースの部下」という設定にはしないだろう。私なら「一番隊隊長」という設定にするだろう。
よって、「黒ひげ」はエースよりも年下、つまり10代後半と考えた方が無難だろう。2.「黒ひげ」の実力は?
では次に「黒ひげ」の戦闘能力を考えてみよう。エースの部下だった事から、実力的にはエースよりも下と考えられる。しかし、「黒ひげ」が白ひげ海賊団を出奔したのが、何か強大な力(悪魔の実?)を手に入れたからと考える事もできよう。だとすると、白ひげ海賊団時代の実力は、参考にはならないかも知れない。
そこで、ドラム王国を壊滅させた時の実力から、「黒ひげ」の実力を測ってみよう。
例えば、同じ事をルフィ達が出来ただろうか? それには、まずドラム王国の国力を調べねばなるまい。ではドラム王国の人口は、どの位だろうか?
確認されている都市は「ビックホーン」「ココアウィード」「ギャスタ」の3つだが、実際にはもう少し多いだろう。王城のある山から張られていたロープウェイのロープは6本だ(六年前)。恐らく、各都市に向かって張られているのだろう。だとすると都市の数は6つという事になる。作中から確認した限りでは、どの都市もそれ程大きな町とはいえない。精々、人口1000人といった所か。だとすると、ドラム王国の人口は計6000人程と考えて良いだろう。
僅か20人(+α)の医師で一国の医療行為がまかなわれていた事からも、それ程人口の多い国でない事がわかる。ではドラム王国の軍事力は如何程だろう?
潜水可能な大型帆船や大口径散弾大砲を保有するなど、軍事技術は高いと思われる。しかし兵士の数は、ドラム王国の人口から計算して、精々100人から200人といった所だろう。例えば、アラバスタ王国の様に60万もの兵力があったら、流石のルフィ達でも「数は力」で、どうにもならないだろう。しかし、この程度の兵力ならルフィ達でも、余裕で壊滅させる事が出来るだろう。
ルフィ達よりも実力が上だとするならば、ドラム王国はもっと強大な国家として登場させた方が、比較する上で有効だろう。ならば「黒ひげ」一味の実力は、ルフィ達と同程度と考えて差し支えないのではないだろうか?
3.「黒ひげ」の仲間
「黒ひげ」の4人の仲間はいったい何時頃から、仲間に加わったのだろうか?エースは「黒ひげ」については語っているが、その仲間に関しては一言も語っていない。もしも彼等が白ひげ海賊団時代からの仲間なら、当然、エースの標的になっていよう。ならば何らかの説明があって然るべきだろう。それがないという事は、白ひげ海賊団から出奔した後に仲間として加えたと考えて問題ないだろう。
さて、ここまで「黒ひげ」について検証してみましたが、何かに気付かないでしょうか?「仲間を集めながらグランドラインを航海する、少数精鋭の若い海賊団」
そう、「黒ひげ」とは、ルフィと非常に似通っていると考えられるのだ。5人の海賊というのも、(チョッパーを加える前の)ルフィ達とぴったり合致する。
更に「黒ひげ」一味のシルエットを観察すると、女性が1人混じっていると思われる。(更に剣士と思われる者もいる)
まあ、あのシルエットはいい加減な描写なので、あまり参考にはならないが……私は常々、「ONE PIECE」に欠けているものがあると考えていた。
それは「ルフィの好敵手(ライバル)」の存在だ。ルフィには今のところ、ライバルと呼べるような存在がいない。
シャンクスはライバルというよりも、憧れの存在、そして超えるべき目標だろう。ライバルとは、近しい実力がなければ成り立たないだろう。ではゾロはどうか? 確かに実力は伯仲している。しかしゾロは好敵手(ライバル)と呼ぶよりも、相棒(パートナー)と呼んだ方が相応しいだろう。
かろうじてライバルと呼んでも構わない存在はバギーかもしれない。しかし年齢は、かけ離れている。やはり、ライバルとは年齢も近しくないと……
そこで「黒ひげ」の存在だ。今後、「黒ひげ」はルフィのライバルとして、「ONE PIECE」の物語に絡んでくるのでは、ないだろうか?
「黒ひげ」はルフィと非常に似通っている。それと同時にルフィの対極的な位置にいると考えるのは、私だけだろうか?
「黒ひげ」とは、黒きカリスマ(?)をもって仲間を集める、「ブラック・ルフィ」的な立場の存在なのではないだろうか?いや、ちょっと待て。『黒ひげ』はエースの標的なのではないか? そう、反論する者もいよう。
しかし、よくよく考えてみると、エースが倒すべき標的と考えるには、「黒ひげ」は少々、小物かもしれない。なにせ、「黒ひげ」はエースの元部下でしかないのだから。もしもエースが倒すべき標的とするなら、元部下という役付けよりも、エースと同等か、それ以上の力の持ち主となるような役職にするのではないだろうか?
上にも書いたが、「一番隊隊長」など、エースの標的としては相応しいだろう。
現状ではエースの標的だが、後々、ルフィとの絡みが増えてくるのではないだろうか?今後、「黒ひげ」の噂を聞く度に、仲間の数が増えていたりしたら、面白いと思いませんか? 王下七武海と衝突し、その一角を崩すような活躍をしたら面白いと思いませんか?
ルフィと同じく、仲間を増やして海賊団としての力を付け、海賊として名を上げてゆき、「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を賭けて対立するような男がいた方が、物語としては面白くなると思う。
その役割を「黒ひげ」に求めたいと思うのだが、どうだろう?